伊勢志摩国立公園の海岸は、名勝二見ヶ浦の立石崎を境に、これより東方の鳥羽からその南の的矢湾や先志摩、そして真珠養殖の盛んな英虞湾にかけては、岬や島嶼(とうしょ)、大小の溺れ谷(おぼれだに)より成る湾入が続きます。志摩半島を中心に、この複雑なリアス式海岸の海景が織り成す四季折々の風光は、お伊勢さんとともに旅情にあふれ、三重県下最大の観光地となっております。
当地のこの複雑な地形の骨格を成す地質構造は、殆どの地域が中央構造線より南の西南日本外帯地質区に属し、背後に連なる峻険(しゅんけん)な壮年期地形は、紀伊山地から続いて来ております。ゆえに北より、広域変成岩の地帯(三波川変成帯)、古生代〜中生代の堆積岩の地帯(秩父累帯)、中生代の地層(四万十累帯)、そしてこれを不整合に覆う新生代の海成段丘堆積層と、各ゾーンが帯状になって東西に広がり、火成岩である塩基性深成岩類(斑糲岩、蛇紋岩 等)も、朝熊山(海抜555m)や菅島の大山(海抜236.6m)を形成し、白木(鳥羽市)を通る安楽島−五ヶ所構造線に沿っても貫入しています。
このような自然環境にある伊勢志摩には、古来より神聖視された二見ヶ浦の夫婦岩をはじめ、鸚鵡石(おうむいわ)や鏡石など、数多くの謂れ石(いわれいし)や名物岩が点在しております。また、当地の海岸や山地、河谷(かこく)等からは、遣唐使が中国から石の文化を伝えた古(いにしえ)より、著名な庭石や水石(すいせき)、盆石など良質の鑑賞石もたくさん産出し、五十鈴川、宮川をはじめ、隣接する度会郡内の各河川や山肌において、五色石(ごしきいし)、鎧石(よろいいし)、伊勢古谷石(いせふるやいし)等、数々の銘石を世に出しています。
当工房専売、謹製の調度石鎮や小物水石、盆栽用付け石等は、当所より産する奇異で美しい自然石の姿や形状、紋様、色合い、光沢等、石の持つ自然美を最大限に生かして手入れをし、磨きぬかれた伊勢銘石の逸品でございます。ペーパー・ウエイトはもとより、お部屋のインテリアとしてもお使い頂けるものであり、さらに手入れをす れば、家宝としても遜色無く楽しんで頂ける自然石でございます。
◆ 当工房では、謹製の調度石鎮(自然石のペーパー・ウェイト)と小物水石を厳選して商品化し、全品
1個 ¥ 1,800(送料込み)で販売致しております。
◆ お求めの方は、下のリストの写真、並びに説明をご覧頂ましたの上、御希望のものを電子メールでお
申し込み下さい。
メール・アドレス : i.epman@chic.ocn.ne.jp
販売商品のリスト
以下の商品は、自然石の持ち味をそのまま活用して製作を致しましたペーパー・ウェイト(調度石鎮)と、当地方の代表的なミニサイズの「水石」で御座います。
商品番号 S-001 自然石(川石)の原形を生かして作ったペーパー・ウェイト(調度石鎮)です。左右幅約10p、高さは約5p、前後の最大幅約4pです。底面をカットし、表面は裾に変質皮殻を袴(はかま)として残した上、石の芯出しをして研磨し、艶出しをしてあります。石材は梅林石系の輝緑凝灰岩(きりょくぎょうかいがん)です。産地は三重県度会郡内の宮川支流。 |
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商品番号 S-002 自然石のペーパー・ウェイト(調度石鎮)です。左右幅約10p、高さ(厚さ)は約2p、前後の最大幅約4pです。カットは底面のみ。石材は赤鎧系の七華石(しちかせき)を含む石灰岩で、表面は石の剥離性を生かし、ミニサイズの段石のまま艶出しをしてあります。産地は三重県度会郡内の宮川支流。 |
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商品番号 S-003 朝熊翡翠のペーパー・ウェイト(調度石鎮)です。左右幅約9p、高さ(厚さ)は約3p、前後の最大幅約3pです。全面を成形カットし研磨。石材は白色地に淡緑の斑点を雑える透輝石で、いわゆる「翡翠の狐石」。硬度、比重は本翡翠には及ばないが、見かけはそっくりです。産地は三重県伊勢市朝熊山。 |
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商品番号 S-004 川石(転石)の逸品を程よくカットし、研磨、艶出し加工した梅林石のペーパー・ウェイト(調度石鎮)です。左右幅約9.5p、高さ(厚さ)は約4p、前後の最大幅約4.5pです。底面と前面をカットし、杏仁(きょうにん)状の斑紋を磨き出したものです。岩石は杏仁状輝緑凝灰岩のようです。産地は三重県度会郡内の宮川支流。 |
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商品番号 S-005 度会町火打石の小谷より産する、当地原産の名石「青玉入・縞帯状五色石」です。ペーパー・ウェイト(調度石鎮)として製作。岩石は石灰岩を含み、一部ジャスパー化したチャート質の岩石。底面をカット、石の表面はそのまま研磨、艶出しをしてあります。左右幅約11.5p、高さ(厚さ)は約2.5p、前後の最大幅約5pです。 |
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商品番号 S-006 伊勢市朝熊山より産する、当地原産の名石「朝熊石」です。小型水石として鑑賞。岩石は橄欖岩組織を残し、石全体が蛇紋石化した蛇紋岩です。朝熊山上・山肌の風化土にまみれて産出。特徴は、鉄サビ色をした海綿状の表面形が奇抜な巣立ち風の岩石。底面をカット、石の表面はそのまま軽くサビ落としをしてあります。左右幅約10.5p、高さ(厚さ)は約5.5p、前後の最大幅約5pです。 | |
商品番号 S-007 度会郡大紀町の旧七保村(ななほむら)より産する、当地原産の名石「七華石」(しちかせき)です。小型水石として鑑賞。岩石はカラフルな層状石灰岩で、チャート層を噛んで互層を成せば「鎧石」となる。この石は藤川の川石(転石)であるが、特徴は紅・白他、複雑な縞模様の美しい色彩石。底面を座りよくし、石の表面はそのまま研磨、ワックスがけによる艶出しをしてあります。左右幅約11.5p、高さ(厚さ)は約5.5p、前後の最大幅約6.5pです。 |
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商品番号 S-008 度会町小萩川の転石(層状石灰岩)の表面を特殊加工(いぶし銀様の光沢でコーティング)し、商品化を試みたペーパー・ウェイト(調度石鎮)です。左右幅約12.5p、高さ(厚さ)は約3p、前後の最大幅約3.7pです。底面はカットしてあります。岩石は石灰岩ですが、当地の川石は他の岩石や鉱物脈を葉片状に挟雑し、きれいな縞帯を呈しています。 |
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商品番号 S-009 自然石の原形を生かして作った最高級のペーパー・ウェイト(調度石鎮)です。左右幅約12p、高さは1.5〜2.5p、前後の最大幅約5pです。平石上面の自然の妙形をそのまま生かし軽く研磨、艶出しをしました。底面は平らにカットしてあります。石材は石灰質を含む紫雲石(輝緑凝灰岩)で、表面のジャグレ等の凹凸は、充填していた方解石の溶失による窪みです。産地は宮川支流の一之瀬川。 |
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商品番号 S-010 自然石の原形を生かして作った最高級のペーパー・ウェイト(調度石鎮)です。左右幅約12.5p、高さは3〜6p、前後の最大幅約4pです。清流五十鈴川産の伊勢赤石(転石)の自然形を、そのまま生かして軽く研磨、艶出しをしました。底面は平らにカットしてあります。石材は、方解石脈の入った赤色チャートで、岩山に太・細二条の滝が懸かる情景は、ミニ水石としても楽しめます。 |
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商品番号 S-011 度会町小萩川に多産する片状石灰岩の転石です。小型水石として鑑賞。岩石は、弱変成を受けた片状石灰岩、及び緑紫色の部分は輝緑凝灰岩質の葉層と思われますが、石全体は「准片岩」になるのかも知れません。左右幅約11p、高さは約5p、前後の最大幅約3.5pです。表面は艶出し研磨、底面はカットし座りよくしてあります。石の中に方解石脈が貫入し、滝石の景観を呈しています。 |
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商品番号 S-012 度会町小萩川原産の輝緑凝灰岩の転石です。小型水石として鑑賞。岩石は弱変成を受け准片岩化するも、大・小の方解石脈が介在し縞帯状を成す。この石は方解石脈の溶食により、特異な茸状を呈する。左右幅約9.5p、高さは約5p、前後の最大幅約6.5pです。表面は軽く研磨(艶消し)、底面は座りよくカットしてあります。 |
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商品番号 S-013 伊勢市横輪町鍛冶屋峠付近産出の、伊勢古谷に属する皺(シュン)に富む岩山形の風化岩です。小型水石として鑑賞。左右幅約13p、高さ(厚さ)は2〜4p、前後の最大幅約7pです。底面は研磨し座りよくしてありますが、表面は表皮土を取り石の芯を洗い出したままです。岩石は輝緑凝灰岩の斑点や筋(葉層)を挟雑する泥質石灰岩の様です。現地の山土(風化土)にまみれて産します。 |
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商品番号 S-014 清流五十鈴川産の「伊勢赤石」の転石です。小型水石として鑑賞。左右幅約13.5p、高さは3.5〜5.5p、前後の最大幅約3.5pです。互層状を成す石灰岩の葉層や方解石脈の溶食により、鎧状を呈しています。底面はカットし座りをよくしてありますが、表面は自然形のままです。面白い事に、左端は猿の横顔に見えます。岩石は赤色チャートです。 |
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商品番号 S-015 伊勢市横輪町鍛冶屋峠付近産出の、鎧石を成す石灰岩やチャートの風化岩です。穿ちや巣立ち、皺の他、糸巻き状の条脈(主に葉片状石英脈)に富む一種の奇石。小型水石として鑑賞。左右幅約11p、高さ(厚さ)は最大6.5p、前後の最大幅約6pです。底面はカットし研磨してありますが、表面は表皮土を取り石の芯を洗い出したままです。現地の山土(風化土)にまみれて産します。 |
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商品番号 S-016 志摩の大野浜(大王町名田)の漂礫(浜砂利)の中から、層内断層の入った手ごろな小石を研磨し、ペーパー・ウェイト(調度石鎮)にしてみました。左右幅約9.5p、高さは約3p、前後の最大幅約3pです。細長い漂礫の自然形と縞模様を、最大限に生かして軽く研磨、艶出しをしました。底面は平らにカットしてあります。岩石は断層の入ったチャートです。地震の御守りにでも如何でしょうか? |
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商品番号 S-017 自然石(川石)の原形を生かして作ったペーパー・ウェイト(調度石鎮)です。左右幅約10p、高さは約6.5p、前後の最大幅約5pです。底面はカット、表面は風化変質皮殻を削り落とした後、原形をベースに山水景石風(遠山形)に整形。全面艶出し研磨、梅林の紋様出しを試みた石です。谷を流れ落ちる一条の滝が懸かるので、小型の造形水石としても鑑賞できます。岩石は輝緑凝灰岩で、産地は三重県度会郡内の宮川支流。 |
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商品番号 S-018 清流五十鈴川の転石の内、花紋の出そうなピラミット形の手ごろな赤肌石を選び、四周を研磨し、風化皮層を取り除いて艶出しをしてみました。小型水石(紋様石)として鑑賞。左右の最大幅約8.5p、高さは頂点で約6.5p、前後の最大幅約6pです。岩石は橙色のチャートですが、石英脈中の結晶質放射小球が白花模様となって、かすかに出ています。底面はカットし座りをよくしてありますが、表面は自然形のまま芯出しをしました。 |
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商品番号 S-019 度会郡の七保村(現、大紀町)を流れる藤川(宮川の一支流)の川石です。当地原産の銘石「鎧石」(よろいいし)の転石で、小型水石として鑑賞。岩石は層状石灰岩と赤色チャート層の互層岩。この石は全くのウブ石で、石の表面はもちろん、座りのよい底面もそのままの状態です。石灰岩とチャートの溶食の程度の差によって、見事なまでの「鎧状」を呈します。左右幅約12p、高さ(厚さ)は約6p、前後の最大幅約4pです。 |
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商品番号 S-020 自然石をカットし、細長く整形して作ったペーパー・ウェイト(調度石鎮)です。左右幅約15p、高さは連山形の最頂部で約4.3p、前後の最大幅約3.5pです。底面は平面にカットの上、連山形に加工して作りました。石の全面を研磨し模様を出した後、艶出しをしました。石材は水石で言う龍岩石(りゅうがんせき)で、石灰岩の小さなレンズ等を含む輝緑凝灰岩です。ミニサイズの造詣水石としても楽しめます。産地は三重県度会郡内の宮川支流。 |