伊勢市五十鈴川の川原からは、江戸時代に発見された「神足石」(しんそくせき、又はじんそくせき)と言う、奇異なる「人の足型」をした侵食礫が産します。掲載写真に見るように、小判型礫の長軸方向の一端にV字の欠刻を有する亜角礫〜亜円礫で、サイズはまちまちですが、角閃岩や輝緑岩、ヒン岩、斑れい岩、輝緑凝灰岩、砂岩、チャートなどに頻繁に見られます。
この神足石は、偶然に生じたものもありますが、科学的な必然性を示し、交差する井桁を押しつぶした状態の節理に支配されたひび割れの一端が、差別侵食を受けて生じたものです。周囲の小谷等から供給される節理を有する現地性の岩石片(風化母材)が、五十鈴川の適度な水流と平坦化した川床の程よい研磨作用を受けて、転石となったものです。伊勢神宮の宮域に源流を持つ五十鈴川は、なぜか他所よりも形成頻度が高く、「伊勢の奇石」として「伊勢参宮名所図絵」などにも描かれており、郷土誌家や愛石家には広く知られています。
江戸の昔より参拝客によってかなり拾われたらしく、現在はきれいな形のものは数少なくなりました。中にはハート形のものもあり、宇治橋より下流なら誰でも拾えますが、手ごろなものはめったに見つかりません。昔の人にとっては、五十鈴川限定の神様にまつわる不思議な石であり、又と無い「参宮土産」となったことでしょう。
興味のある人は、天然のもの故、「自然史記念物」として所蔵されてはいかが ですか ?
【参考文献】
- 南平秀生(1990) 伊勢の奇石・五十鈴川の神足石 地学研究 第39巻2号 日本地学研究会発行
- 南平秀生(1992) 続・五十鈴川の神足石 地学研究 第41巻2号 日本地学研究会発行
◆ 長年にわたって採集した、五十鈴川産の数々の「神足石」(自然石)のコレクションの中から、特に
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◆ ちなみに、石の表面はブラシにて水洗してありますが、石形の加工は一切致しておりません。
五十鈴川の転石(自然石)のままで御座います。
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